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デザインマネジメントTIPS

デザイン依頼のポイント

  • Writer: Fujii Mikihiro
    Fujii Mikihiro
  • Feb 17
  • 5 min read

Updated: Mar 5

はじめに

デザインの依頼・発注は、非デザイナーにとって、どのようなやりとりや情報が必要なのかわからず、不安になることが多いと思います。

この記事では理想論ではなくリアルな視点で、デザインの質を高めるために最低限必要なポイントをご紹介します。


まずはデザイナーのタイプとスキルの確認

未読の方デザイナーの理解とコミュニケーションの基本をご一読いただき、デザイナーのタイプとスキルが確認できた状態にしてください。


内容よりやりとりそのものが重要

やりとりする内容よりも、やりとりの相性を確認することが大事です。

  1. 会話が噛み合うか。

  2. 必要なことが伝わったという確信が得られるか。

  3. デザイナーからの質問によって気づきが得られたか。

を確認しながら話しましょう。

デザイナーには変わった人が多いとは思いますが、そもそもデザインはコミュニケーションでもあるので、必要なことはちゃんとおさえてくれる人を選びましょう。

ただし、シャイな人も多いので、そこは多めに見てあげてください。


資料はどこまで作りこめば良いのか

デザイン発注時に必要なこととデザインのイメージなどを共有するために非デザイナーの方が不安だからこそ丁寧に資料を作ってくださることがあるのですが、基本的には作り込めば作り込むほどデザインしにくくなるのが現実です。

そういった資料は、例えるなら家を建てる時に素人の施主が基礎と骨組みを作ってから、後は自由に仕上げてくださいと建築家に渡すようなものです。


必要な内容は?

では、資料をどんな内容にするかですが、

法令は遵守し、予算や納期は別途伝えるとして、

Webページのデザイン要件の内容のみをWhy-How-Whatで分類するなら

Why:定性・定量の目的

How:概念としての目的の達成方法

What:必要な機能・コンテンツ、ビジュアルイメージに近いデザイン例

がわかれば、デザイナー視点では知りたいことの必要条件は満たしているはずです。

(逆にこれでデザインできないようであれば、発注を控えたほうが良いほどです。)

一人前のデザイナーなら、自分なりに資料通りに作れるか、作れないことを教えてくれます。さらに上位のデザイナーなら、WhatやHowの対案を出してくれたり、Whyに切り込んでくる場合もあります。

ただ、上記の内容に「デザインマップ」を加えるだけで、ビジュアルイメージをより正確に伝えたり、トラブルを避けたりすることができます。


デザインマップ

イメージに近いデザイン例を単に画像を並べるだけではなく、二軸のマトリクス上にマッピングしつつ、その案件のイメージがどこにプロットされるのかを伝える「デザインマップ」を作成することで、ビジュアルイメージの伝達精度が格段に上がります。


デザインマップ
デザインマップ

マトリクスの二軸は自分の感覚で設定して良いのですが、一つだけNGがあります。それは、例えば「親しみやすい」という軸を作り、事例をプロットした上で、「こんな感じで"親しみやすい"デザインにしたいです」と伝えることです。

せっかくマップを作ったのに使わないのと同義では?と思うかもしれませんが、それであればマップを作らずに事例と「親しみやすい」という要件を伝えるのとあまり変わりません。

そうすれば、自分なりの「親しみやすい」のイメージに沿ってデザインするか、望ましくないですが事例に似たデザインをすると思います。

そうではなくて「軸はあまり意識せず、事例Aと事例Bに対してこれくらいのポジションにプロットできそうな感じでお願いします。」と伝えるのです。

なぜかというと、前者の伝え方では、「親しみやすい」の基準がデザイナーの主観になりやすいからです。そうではなくて、あくまで見た目の印象で事例からの相対的な位置として受け取ってもらう事が重要です。

デザインマップについても、一人前のデザイナーなら、自分なりに作れるかかどうかの判断をしてくれますし、さらに上位のデザイナーなら、WhatやHowの対案を出してくれたり、Whyに切り込んでくる場合もあるのは同じです。

よくズレてしまうデザイナーや、初めて発注するデザイナーの場合は、特に発注者とデザイナーの主観がズレている可能性が高いので、この方法が特に有効です。

作成には、Powerpointのようなサイズに限りがあるプレゼン/スライドツールより、Miroのようなサイズが広いホワイトボードツールの方が向いています。


発注取りやめの選択肢は常に持っておく

悲しいことですが、どうしても合わないデザイナーというものも存在します。

やりとりが噛み合わなかったり、上記のような資料を作っても要領を得ないようであれば、発注を取りやめることを検討することをおすすめします。この選択肢を常に持っておくことによって、デザイナーを見る目も鍛えられるのでおすすめです。

せっかくミーティングに参加してもらったから・・などと気を遣う必要はありません。

お互いにとって無駄な時間を使いことになる決断をすることはありません。最初の打ち合わせ後、1日くらいは寝かせて結論を出すのもありだと思います。

(もちろん、他の候補も確保も必要にはなりますが。)


最後に

以上のことに気をつければ、イメージに合ったデザインを提案してもらえる可能性が格段に高まるはずですし、逆に合わないデザイナーを見極めやすくなるとも思います。

期待している成果を出すためのデザイン活用のご参考になれば幸いです。

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